17.01.03-10悠久のインド紀行

 インドに行ったことのある人は、二度と行きたくないという人と機会があれば何度も行きたいと思う人がいるそうだ。自分は後者に属する。前回は2012年12月に行ったので、約4年ぶりだ。この度は高校時代の友人O君と一緒である。関西空港で待ち合わせ、エアーインディアで香港経由デリーに向かう。インド航空は国内線を含め都合5回搭乗したが、全て1~2時間程度遅延した。日本のように定刻出発とはいかない。これがインドだ。

 関空に行く機内から富士山がよく見えた。下から眺めるのではなく上空から眺めると火口までよく見える。
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 搭乗と同時に機内でなんとなくカレーのにおいを感じる。まあ、こちらも加齢臭を発散しているので偉そうなことは言えない。カレー臭と加齢臭が合体すると華麗な香りが・・・そんなことはあり得ない。 
 今回は玄奘三蔵や大谷探検隊が訪ねた仏教遺跡を巡る。テーマは『宗教の聖地と自分探しのインド路』というところか。

 デリーからがディマン・エクスプレスでアグラに向かう。定刻に出発したが到着は予定より、1時間程度遅れた。

 駅の近くでお客を待つ輪タク
輪タク

 列車を待つ人々
列車を待つ人

 列車は広軌なのででかく頑丈そうだ
列車1

列車2

 車内のサービスはなかなかのもの
サービス

【タージ・マハール】・・・インド観光の定番タージ・マハールはお墓である。「私のために世界一美しいお墓を作ってください」と、ぬけぬけ言った女も女なら、「よしよし」と本当に作った男も男と思う。男はムガール帝国の5代目の皇帝シャー・ジャハーンである。相手の女性は彼に狂わんばかり愛された後宮のムムターズ・マハ―ルである。素人が見ても遠近感をうまく取り入れシンメトリーになっている白大理石の建物は非常に美しい。べらぼうに巨大な建物の割には威圧感を感じない。さすが世界遺産、お見事の一言。しかし建築の完成には22年の歳月を必要とした。

タージマハール1

タージマハール2

タージマハール3

タージマハール4

タージマハール5

【アグラ城】・・・16世紀から19世紀にかけてインドを支配した、ムガール帝国の栄光と強大な権力の象徴といえる城である。勿論、世界遺産。ムガール帝国でただ一人「大帝」と呼ばれた第3代皇帝アクバル帝が建築を始め、その後シャー・ジャハーン帝などにより建築が続けられた。道理でアグラ城からはタージ・マハ―ルを見ることができる。シャージャ・ハーンは7年間タージ・マハールを日夜眺め続けて暮らしたそうである。アグラ城から実際に眺めてみるとヤムナー河畔のタージ・マハール真珠のように輝いていた。
 
アグラ城1

アグラ城2

アグラ城3

アグラ城4

 王様の謁見の間
アグラ城5

アグラ城8

アグラ城6

 遠くにタージ・マハ―ルを見ることができる
アグラ城7

 アグラからデリーに戻り、国内線でガヤに向かう。着後ブッダ修行の地であり、晩年長く滞在したラジギールへ。そして翌朝、聖地山の『霊鷲山』へ。かつてブッダも登り通ったといわれる道を登り、ご来光を望む。

【ラジキール】・・・ラジギールの村はインドでは珍しく温泉が湧く。といっても冷泉と思う。そして正直,生活は非常に貧しい。温泉には一般の村人が入り、その下には使用後の湯を溜めアウトカーストの人が体を洗ったり洗濯したりしていた。間違って中に入り写真を撮ろうとしたら係りの人から偉い剣幕で叱られた。半世紀前に憲法上はカースト制度が廃止されているが、3千年以上の歴史がある制度なので差別は一朝一夕には無くならない。カースト制度が憲法で廃止されたことも知らないのではと思うことがある。

 一般の村人の脱衣場。温泉の入場を勧められる。
ラジギール1

 アウトカースト用と思われる浴場。
ラジギール2

 日が暮れると村の至る所にホームレスらしき人が目につく
ラジギール3

ラジギール4

 壁には牛糞が張り付けられている。乾けば燃料となるが、煮炊き物にはチョット抵抗がある。
ラジギール5

牛糞

 家族の移動はロバ車。
炉馬車

 トラックの代わりに牛車。
牛車

  翌早朝の日の出前にブッダが2500年前に無量寿経や法華経を説いたとされる山として知られる霊鷲山に出かける。残念ながら霧でよく見えない。インドは12月~2月の冬季は霧の季節だそうだ。この霊鷲山のあるビハール州は禁酒令が布かれており、ホテルでもアルコール類は一切ない。グジャラート州やミゾラム州も同じだ。ロシアなどと違い暑い国はもともとアルコールを必要としないのかも。

  ご来光は残念ながら霧のため、見ることができなかった。
霊鷲寺

霊鷲寺2

 頂上では祭壇があり、僧侶が祈祷してくれる。
霊鷲寺3

 釈迦が瞑想した洞窟。
 霊鷲寺4

 山から下りてくると物乞いの子供が集まってくる。チョット複雑な気になる。お金をあげるのには抵抗があり、日本から持ってきたボールペンをあげる。しかしボールペンなど使わないかも・・・。
霊鷲寺5

【ナーランダー仏教大学】・・・紀元427年に建てられた世界最古の大学の一つだ。「ナーランダ」は " 蓮のある場所 " という意味だそうだ。1万人までの人が滞在した(最古で、それまでの歴史で最大の居住型の学校、最多で1万人の生徒と、1,500人の教員がいた。高い塀と、1つの門、図書館は9階建ての建物にあり、多様な分野の教科が行われていたという。勿論、ここは世界遺産だ。
 ここで学んだ玄奘三蔵は645年(唐朝時代)に657部の経典を中国に持ち帰っている。1193年にイスラム教徒侵入により大学は破壊され衰退した。

 ナーランダ大学の入り口。
ナーランダ1

 大学のキャンパス。
ナーランダ2

 学生寮のトイレ跡。
ナーランダ3

 瞑想のための洞穴。
ナーランダ4

 昔の階段教室。
ナーランダ5

 釈迦像の装飾のある建物跡。
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ナーランダ6
 
 大学の建物配置図。
 ナーランダ7

 学校を出ると土産物の屋台がある。
ナーランダ8
 
 ナーランダ大学のあるところは牧歌的な感じがする。トラックの代わりに牛車が活躍。
ナーランダ9

 ラジギールからブッダが悟りを開いた地ブッダガヤへ向かう。

【日本寺で座禅】・・・インドがイギリス植民地からの独立を成し遂げて間もない1956年、インド政府は仏教紀元2500年を祝いブッダガヤを仏教による世界平和の本拠地とする宣言をする。日本の仏教徒が賛同し、宗派や寺派の違いを超えてこのブッダガヤの地に日本の寺を建てた。木造のお寺に親しみがあるが、ここは鉄筋コンクリ―製であまりありがたみを感じなかった。隣はブータンの煌びやかなお寺で、少々見劣りがする。

 日本寺の正門(山門?)。
日本寺1

日本寺2

 日本寺の本堂。
日本寺3

 本堂の中の仏像。
日本寺4

 日本寺の隣にあるブータンのお寺。
日本寺5

【マハボディ寺院】・・・ブッダガヤにある寺院。かつて釈迦が悟りを開いたといわれる有名な菩提樹がある、紀元前3世紀にアショカ王により建造された古い煉瓦構造建築の一つである。勿論、 ユネスコにより世界遺産に登録されている。ビハール州パトナーからおよそ96km離れたところに位置している。    
 紀元前530年、僧として放浪している釈迦牟尼がガンジス川支流の森の岸に着いたその位置を示すために造られた。ここは長らくヒンドゥー教の管理下にあり、寺院が整備されず荒廃していたが、1949年にヒンドゥー教徒と仏教徒の各4名と政府要員1名による管理となった。さらに1992年には佐々井秀嶺などによるブッダガヤ奪還運動が行われ、近年では仏教徒のみによる管理へと移行しつつある。2013年7月7日爆弾テロ事件が発生し2名のビルマ人、チベット人仏教僧侶をふくむ5名が負傷した。宗教の原理主義者には困ったものだ。我々が訪問した1月6日と7日はダライラマが滞在していたので殊の外、警備が厳重であった。
  
 マハボディ寺院に入るには厳重なチェックが必要。
マハボディ1

 ダライラマの来訪を知らせる大弾幕。マハボディ2

 夜間はライトアップされて美しい。
マハボディ3

マハボディ4

 熱心なラマ教の信者が五体投地を行っている。
マハボディ5

マハボディ6

 厳重な警戒。
マハボディ7

 夜間も大勢の仏教徒が詰めかけている。ダライラマ訪問の影響かチベットの仏教徒が一番多く、引き続いてミャンマーやスリランカ、タイ、ラオス、中国、韓国の仏教徒が目についた。日本の仏教徒は見かけなかった。日本の仏教界はあまり国際的ではないのかな。
 翌朝もマハボディ寺院に出かけたが、芋の子を洗うような混雑ぶりであった。当然、セキュリティも厳しい。
 
 セキュリティーの関係上、入場は男女別々に並らぶ。
翌日1

 セキュリティが厳しく、宗教施設のような感じがしない。
翌日2

 熱心な信者たち。
翌日3

信者

しんじゃ2

翌日4
 
 菩提樹の下で釈迦が悟りを開いた。この聖なる菩提樹は何代目になるのか…。
菩提樹1

菩提樹2

 仏足跡。
佛足跡

 ブッダガヤのそばにあるスジャータ村に出かける。ここは釈迦が悟る直前にミルク粥を供養し命を救ったという娘がいたところである。今は立派なストゥーパとその上には菩提樹の樹があった。その傍には「恵英山学校」という中国人の寄付で建てられた学校がある。我々が着いたら、全児童と教師がドネーションBOXをもってやって来た。チョット興ざめ。
 
 スジャータの説明板。
スジャータ1

 ストゥーパ。
スジャータ2

 中国人の寄付で建てられた学校と生徒と教師。
スジャータ3

スジャータ4

 ブッダガヤからヒンズー教最大の聖地ベナレスに向かう。ヒンズー教徒は死ぬ時はここで荼毘に付され、灰をガンジス川に流されることを無上の喜びとしている。お金のある人はガート(火葬場であり沐浴場)近くの旅館で死期を待つ。貧乏な人は火葬のマキ代をもって路上で死期を待つ。かつて暗殺されたインディラ・ガンジー首相もここで荼毘に付され、灰はガンジス川に流された。従いヒンズー教徒は墓を持たない。
 遠藤周作の小説「深い河」でもおなじみだ。灰を流された、あまり綺麗と思えない河で沐浴する人がいる。また、牛やハンセン病など障害を持った物乞いなどがいてカオスの世界でもある。夜にはガートでヒンズー教徒の祈りの儀式「プージャ」も行われる。

 ガートの階段。
ガート1

 沐浴を見学するためのボート。
ガート2

 沐浴風景。
ガート3

沐浴1

沐浴2

 立派な建物は元マハラジャの宮殿。
ガート4

ガート5


 日本人経営のバックパッカー向けゲストハウス。
久美子ハウス

 ガートで行われる火葬。赤い火が目印。火葬が済めばガンジス河に灰を流す。興味本位で写真を撮るのはマナー違反なので遠くからそれとなく雰囲気を撮る。
火葬1

火葬2

 火葬用のマキが積み上げられている。
火葬用のマキ

 沐浴風景を見る観光客。
ボート

 ボートから花と燈明を流す。さながら精霊流しのようだ。
精霊流し

 日の出風景。
日の出

  路地を歩くと突然、牛がやって来てすれ違うのに往生する。野良犬、野良サル、野良ヤギ、野良牛のてんこ盛りである。インドは基本的にベジタリアンであり殺生をしない国なので動物が街中にあふれている。子供のころに捨て犬を拾ってきて内緒で縁の下で飼おうと思ったが、即親に見つかり泣く泣く元のところに戻した記憶があるが、インドの子供は野良牛をかわいいと思って内緒で飼おうとするのかと思ったが、それはないだろう。
牛1

牛1

牛2

 ガートでは夜になるとヒンズー教の儀式「プージャ」が行われる。
プージャ2

フ゜ージャ

バスからガートまではリキシャ(輪タク)に乗る。片道20分程度走るが、往復で二人分20ルピー(≒40円)。気の毒な感じだ。ただ乗り心地は快適とは言えないが。
リキシャ1

リキシャから眺めた風景。
リキシャ2

リキシャ

 ガンガーのそばの酒屋は鉄格子が付いていた。
酒屋

【バーラト・マ―タ寺院】・・・ヒンズー教のバーラト・マーター寺院のご本尊は、大理石でできたインドの地図だ。結構精巧にできていてヒマラヤ山脈などもあり、半地下室のような場所から見ると臨場感が増す。

 なんでこんなものがご本尊なのかチョット疑問。
バーラト・マ―タ寺院1

 半地下から眺めた地図。
バーラト・マ―タ寺院2

 ベナレスからブッダが初めて説法した初転法輪の地サルナートへ。仏教遺跡はインド北東部に集中している。ブッダガヤ、ナーランダ、ラージギル等々。これ等の地域は生誕地ルンビニを含め、釈迦が生まれ育ち、悟りを開いてから後、亡くなるまでの80年間を過ごした場所だ。

【ダメーク・ストゥーパ】・・・二重円筒形の巨大な塔で、6世紀頃に増広された。 インドには仏教信者は少ないので、ここにも現地の人はほとんどいない。 ストゥーパの下を色々な国の巡礼者が念仏を唱えながら周回していた。

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【ムルガンドゥ・クティ寺院】・・・内壁一杯に日本の画家野生司香雪 (のうす こうせつ,1885 - 1973) 奉納の釈迦の壁画 (1936) ブッダの誕生から涅槃まで生涯を描いた壁画がある。

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【考古学博物館】・・・この博物館には、仏教美術の最高傑作のひとつと言われるサールナートブッダ、初転法輪仏像が安置されている。博物館自体はそれ程大きくない、他にもアショーカ王柱の塔頂部分に乗せられていた柱頭四頭獅子像など見応え十分の展示内容。写真撮影は一切禁止。 従い写真のアップはできなかった。





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2011年秋に完全リタイアー。現在は毎日が日曜日の素浪人。そして地球の何処かを徘徊中。

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