16.12.12長谷界隈・旧山本邸

 今日はNPO法人鎌倉ガイド協会の井上氏に同行し通常は公開していない旧山本邸の見学に出かける。まず、鎌倉駅から旧山本邸のある長谷まで徒歩で行く。いつもの通り途中の見どころをレクチャーしていただく。

 まず御成小学校からスタート。ここは明治時代、この地に皇室の鎌倉御用邸(現在の御成小学校と鎌倉市役所の敷地)があり『御成』の名が付いたそうだ。小学校の裏にある安保小児科医院は御用邸の傍に医者が必要とのことでここに招致されたという。どちらも中々レトロな感じだ。安保小児科医院の道を隔てて鎌倉時代に『問注所』(裁判所)があったことを示す石碑がある。

御成小学校
御成小学校

問注所の石碑 鎌倉時代の裁判所跡か
問注所跡
 
 問注所で死罪との判決の結果、処刑された人の霊を慰めるため六地蔵が今も祀られている。この地蔵の横には、なぜか松尾芭蕉の『夏草や つわものどもが 夢の跡』の句碑がある。

六地蔵 今も街の人々によって管理されている
六地蔵

何故か松尾芭蕉の句碑が
芭蕉句碑

 六地蔵を過ぎて由比ガ浜通りに出ると、戦前からある元鎌倉銀行由比ガ浜出張所のレトロな建物が見える。建物そのものは非常に小さいものだが、今は『BANK』というバーとして使われている。また、数軒となりは『つるや』といううなぎ屋がある。ここは、かつての田中絹代が愛したうなぎ屋。客の注文を聞いてから、ウナギを割き焼き始めるので食べれるのは1時間先とのこと。

バー『BANK』
バンク2

ウナギの『つるや』
つるや

 『つるや』の前には市景観重要建築物指定(国登録有形文化財)の『寸松堂』がある。昭和11年建築。1階店舗部分はガラス、ショーウインドウ等の近代洋風建築技術が見られ、塔の頂部に相輪をのせ、窓は武者窓があり、全体として寺院建築と城郭建築が合体した奇妙な建物である。因みに『寸松堂』は鎌倉彫の店である。

奇妙な建物は長谷界隈のランドマークか
寸松堂2

寸松堂1

 『寸松堂』を北に進むと吉屋信子記念館がある。春と秋に一般公開されるが、残念ながら今日は該当しない。また、ここから西に進むと『鎌倉文学館』があるが、こちらも月曜休館。 鎌倉文学館から少し西に行くと『長谷子ども会館(旧諸戸邸)』がある。この建物は明治41年建築。きっと建築当時はハイカラで立派な建物であったと思われた。ここは子供と一緒でなければ入れないそうで残念だった。

歴史的建造物も今でも現役だ
子ども会館1

子ども会館2

 長谷子ども会館のすぐそばに『甘縄神社』がある。和銅3年(710)に豪族染谷時忠が建てたと伝えられている。源義忠が相模守として下向の折り、平直方の娘を娶り、当社に祈願し八幡太郎義家が生まれたと伝えられている。鎌倉で最も古い神社である。

階段を登り切れば視界が開け由比ガ浜あたりが望める
甘縄神社

北条時宗産湯の井戸 
井戸

 天縄神社から由比ガ浜通りに戻ると『のり真 安西商店』がある。建築的には商家の様式を伝える貴重な建物とのこと。石造の基礎や土間、揚戸(あげど)などがある。

安西商店内の土間と商品展示スペース
安西商店1

道路に面した部分の揚戸を上にスライドさせて収納すれば道路からそのまま店内に入れる
安西商店2

 安西商店から西に行くと長谷寺の参道の途中に『旅館対僊閣』(市景観重要建築物指定)がある。ここは明治末期創業の旅館。敷地は間口が狭く、奥行きが深い、所謂ウナギの寝床型だ。窓の上部の欄間窓が独特の風格を醸し出している。子供のころに修学旅行で止まった宿舎の様な感じだ。

旅館対僊閣
旅館

説明

 さて、最後になったが、旧山本邸は吉田茂のいとこで、慶応3年(1867)生まれの山本条太郎が大正7年(1918)に建てた別荘である。山本は明治14年に三井物産に丁稚として入社し、明治41年に取締役になった後、実業家に転身。日本初の産業用火薬メーカー(日本火薬製造)を設立、大正9年に衆議院議員となる。その後昭和2年に南満州鉄道総裁を務める等、活躍した。また、茶人としても知られ、茶の手ほどきは三井財閥の中心人物で茶人としても知られた益田孝(鈍翁)から受けたとされている。

 山本邸は5000坪の広大な敷地に150坪の母屋が建てられており、関東では珍しい茶室風の様式を取り入れた数寄屋造り。京都の大工や庭師により、資材をすべて京都から取り寄せたそうだ。標高40mの高台にあるため、茶室や広間から海岸線が見下ろせる。建物は関東大震災にも耐え、今年で98年を経過する歴史的かつ文化的建造物。昭和31年に九鬼氏に譲渡された後、私邸として使用されていたが、昭和56年に九鬼氏から宗教法人神霊教に譲渡された。、現在は『鎌倉霊源閣』として各種の文化活動に使用されている。

門柱の表札は宗教法人の「練盛場」のみの表示でチョットわかりにくい
1

門柱から玄関までは自然の遊歩道のようだ
2

門も歴史的保存建造物だそうだ
門

庭からは由比ガ浜が望める
3

庭

建物内部は数寄屋造り
居間

居間2

茶室
茶室

照明器具にバッタの飾りがあり遊び心が
5

広間
広間

茶室『無畏庵』
無畏庵

腰掛待合
腰掛待合


庭

筑地塀
塀

何故か庭には南極から持ち帰ったといわれる石があった
南極の石

















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2011年秋に完全リタイアー。現在は毎日が日曜日の素浪人。そして地球の何処かを徘徊中。

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